トランスとは?
トランスとは、電圧を変えるための基本的な電子部品です。
トランスの基本的構造は非常にシンプルで、鉄心(コアとも呼ばれる磁性材)に1次コイルと2次コイルを巻きつけた構造になっています。
コンセント(電力源)に接続する側を1次コイル、機器に接続する側を2次コイルといいます。
1次コイルに電気が流れるとコイルの働きで磁力が発生します。発生した磁力は鉄心を介して2次コイルに到達します。
コイルは外部から磁力を受けると、コイルの両端に電圧が発生して電気を流す作用が有り、これを電磁誘導といいます。
家庭で使用する電気製品は、100Vのコンセントから電源をとって利用しています。
コンセントにつながれた電気製品(冷蔵庫やテレビなど)は、その中に様々な機器が組み込まれており、それらの機器の中には100Vで動作するものもあれば、100V以外の電圧で動作するものもあります。
電気製品の各種機器の入り口にはトランスが入っていて、動作に必要な電圧に変換をしています。このトランスを一般的に、電源トランスといいます。
この電源トランスの重要な役割として、絶縁があります。
一般的な電源トランスは、入力側(1次コイル)と出力側(2次コイル)は、繋がっていません。入力側(1次コイル)の電気は電磁誘導によって出力側(2次コイル)に伝わります。
このトランスの絶縁機能によって、入力側(1次コイル)の電気が出力側(2次コイル)に直接流れることを防ぎ、出力側(2次コイル)につながれた各種機器・回路の保護及び、感電を防止します。
特に医療機器用トランスでは、この絶縁機能が必要不可欠となります。